2014/9/14

『代表的日本人』 内村鑑三 – 100年前のクールジャパン

元々、英語で書かれた著作集で、キリスト教思想家として有名な内村鑑三が、海外に向けて日本をプレゼンテーションするために書いた本ですね。そんなわけで、今、クールジャパンみたいに言ってやろうとしていることと、遠からずなのかも知れないなとか思って、そんな副題をつけてみました。西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮上人の5名が名を連ねていて、軍事、政治、農業、学問、宗教みたいな感じなので、割とキャラクターもそういう文脈でばらけさせていると言えます。

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全般的に貫かれているのは、仁とか、清貧の思想、みたいな話で、歴史的な人物を読み解くだけなら、司馬遼太郎読んだ方が見事にエンターテインメントで楽しいと思いますが、海外の人に日本人の素晴らしさを啓蒙しようとした、そういう文脈で過去の偉人を紹介し、評価し、それを以て日本人の典型とする、その試みを読んでみる、みたいなスタンスで読むと楽しめるんじゃないかと思いました。

新渡戸稲造の『武士道』、岡倉天心の『茶の本』と並ぶ、海外に英語で日本を伝えた著作の代表で、ようやく読めたなあという感じ。原文と翻訳にどれだけのギャップがあるのかはわからないのだけど、昔の人は割とある意味で人間の素直な部分を伝えようとしているなということと、やはり国際社会に訴えるにあって、歴史的な文脈を参照することに重要性を見出していたんだなあという感じがしました。

まあただ、余談だけど、日本でクールジャパンって言われて外に出して行こうってものって、アニメにしろ、ゲームにしろ、工芸にしろ、食文化にしろ、歴史的な文脈の参照、ってのはやっぱりできて、そういうことを丁寧にやる必要があるんだろうなとも。なんか打ち上げ花火ドーン、みたいなのだとその時だけしか響かないですよね。そこにある思想的文化的背景みたいなものの濃密さをやっぱり伝える必要があって。

まあしかし、この5人、西郷隆盛は『翔ぶが如く』とかも読んでるしイメージ強かったんだけど、他はそこまでだったので、読んでおいて良かった気もします。二宮尊徳とか、代表的日本人に選出されてる神奈川県民だったんだなw。あと先程の他の2冊、特に『茶の本』お薦めですね。僕は。岩波で読むのが良いです。

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