2014/9/13

『デザイナーとして起業した(い)君へ。成功するためのアドバイス – Work for Money, Design for Love』David Airley – フルスイングでお薦めできる本

これはすごい良かった。僕が独立した時、読みたかった、と言いたいところだけど、それが叶わぬ理由があって、なぜなら著者のDavid Airleyさんも2005年に独立したそう。僕が個人事業主をスタートさせたのと同じ時期。あまりに共感できることが多過ぎて読んでてびっくりしたし、このブログに書いてある、仕事についてのエッセンシャルなことは大体この本に書いてある気がしました。勿論、それ以上の内容もある。

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デザインはクライアント・ビジネス

前半の多くを割いて書かれているのが、デザインの仕事がクライアント・ビジネス、つまり客商売である、ということ。この客商売に関するスタンスが、すごい共感できて、この本に惹きこまれたとも言えます。クライアントとの距離感とか、向き合い方とか、委ね方とか、信頼の置き方とか。海外ってイメージでなんかすごいドライ、って感じだったんだけど、これ読むと大分イメージ変わると思っていて、多くの日本のフリーランスにも読まれるべきパートだろうなと思います。

直接取引とスモール・ビジネス

この辺は、僕が特にいつも強調してきたところでもある。やっぱり、意思決定者とのコミュニケーションとプロジェクトのコントロールは良い仕事をするためには必要だと思うし、必ずしも大きい会社にすることを志向する必要もない、ということが書いてある。

自宅仕事

2005年独立ということが同じということを書きましたが、この方も自宅仕事。だから、ワーク・ライフ・バランスみたいなことも大事な議論になって来ます。7年間働いたら1年間休むデザイナーの事例が出てて、思わず11ヶ月働いたら1ヶ月休む知り合いを思い浮かべたけど、いつでも仕事ができる / できちゃう部分を皆色々工夫してるんですよね。

学び続ける

これどちらかというと、冒頭に書いてあるんだけど、デザイナーは学び続ける仕事だと。それはとても正しいのだろうと思っていて、それは最初に挙げた客商売だからという文脈でそう。決してデザインスキルだけの話ではなくて。それぞれのクライアントとそれぞれのプロジェクトで全く違った専門性に触れて折り合いをつけていかなければいけない、ゆえに好奇心を際限なく持って、世を学び続けなきゃいけない。そういう仕事みたいなことが書いてあって、それもすごく共感。

まとめ

ここでは挙げませんでしたがTIPSもいっぱいあります。仕事始めるにはどういう準備が必要かとか、契約ごとはどうするべきなのかとか、プロボノをするってどういう位置づけなのかとか。あと、色々な他のデザイナーのエピソードも豊富に散りばめられていて面白いです。ただ「このデザインはこんなにすごい」みたいな話は全然なくて、だから極めて働き方と仕事の在り方の本です。こういう本、ありそうでないと思う。とても良書。結構分厚い本で、網羅的に「どういうことを考えておかなければならないか」ということについて、それぞれ平易に具体的な話含めてアドバイスがなされていて、僕みたいな我流でやってきた人間が、なぞりながら、合致するところと、できてないなというところと、ちょっと違うんだろうなというところ、抑えながら読んでいくにも、楽しめる本でした。だから、「デザインとは」も極めてクライアント・ビジネスの観点から語られてます。非常に面白かった。

これ仕事仲間でも興味がある人には是非読んで欲しいなあと思ったし、すごい基本的なことが書いてあるけど、僕にあってはちょうどET3年目を迎えたタイミングで、足元を見つめ直す意味でも、襟を正す意味でも、今後を考える意味でも良い読書でした。まあでも、同じ時代に似たようなこと考えてる人に出くわした嬉しさ、みたいなのが一番大きかったかも知れません。

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