2014/9/2

『日本人はどう住まうべきか?』 養老孟司 隈研吾 – 経済は「そうありたい」姿を欲す

たまたまこんな話を先日見かけまして。もう5年以上前の記事ですが「参勤交代」という言葉も気になった。最近だと、東京と福岡で二拠点生活、みたいなことをやってる人もいますね。

“参勤交代”で、都市と田舎は「ともだおれ」しよう:日経ビジネスオンライン

面白そうだったので、ネットで全文読む前に、書籍化されていたものを注文してみました。

日本人はどう住まうべきか?
養老孟司 隈研吾
日経BP社
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これ面白いですね。震災後の日本の状況を2人で割と平易にただ辛辣に噛み砕いてて、建築論とか都市計画論ではなく、普通に見識のあるおじさん達が日常の話として「日本人はどう住まうべきか?」という話をしている。僕みたいな門外漢としては、「業界の捉え方」みたいなのもわかりやすかったし(それが全てではないと思うが)、色々勉強になった気がします。

読んでて思ったのは、経済は「そうありたい」姿を欲す、ということかなあと思います。ただね、そうならない、んですよね。今、養老さんとか隈さんとか僕の親父とかもそうだけど、そういう世代の言説がしばしば内省的であり得るのはつまり、過去における未来と、現在における今、に距離がある。という時に、ましてや震災も受けて、はて、どうしたらいいのかね、という本だと思いました。

個人的には「どう住まうべきか?」ってのは最近トピックの一つにはなっていて、まあ現実と理想にこれほど乖離があるトピックもないと思うのだけど(少なくとも僕にとっては)、最近考えてた、「郊外で働き、郊外で暮らす – 都会でも地方でもないもの 」とかにも通じるところがあって、どういうことが自分にとって生活と労働と両立させ得る方法なのか、重要なテーマだとは思うんですよね。こないだ書いた、

都会から地方へという斥力も、地方から都会へという引力も、あまり働かない場所にいる。

っていうのが一番ピンと来る感覚なのかなあ。アメリカ型の郊外開発でマイホームを、みたいな話、かなり本書では批判の対象として出てきますけども。

ちょっと変わった本でもあるので、案外、マンション買いたい、とか思ってる人が読んでも、複眼的にモノ考える材料にはなると思うし、今の住まいをどうにかしたい人にも示唆的な部分もあるだろうし、兎にも角にも、こういう知見と見識のあるおじさん達が好きに喋ってる話は(ジブリのポッドキャストかもそうだけど)読み物としても面白いので、お薦めです。

ひとり仕事: フリーランスという働き方
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