2014/8/16

『SF映画で学ぶインタフェースデザイン アイデアと想像力を鍛え上げるための141のレッスン』 Nathan Shedroff / Christopher Noessel – "Make It So" 実現すること

Facebookで友人が紹介しているのを見かけて気になっていた『SF映画で学ぶインターフェイスデザイン』読みました。これもう、何と言うか、企画勝ちという感じがしていて、だって面白そうじゃないですか、前提が。というわけで、勇んで読みました。僕はSF好きなんですが、あまりSF映画自体は観てなくてですね、読んでたのも古典SFみたいな感じですし。まあただ、ロボットアニメじゃないけれど、そういうインターフェイスが色々出てくるものはこれまでも色々観て来ましたし、元の映画観てないと読むの辛いということはないと思います。

SF映画で学ぶインタフェースデザイン アイデアと想像力を鍛え上げるための141のレッスン
Nathan Shedroff Christopher Noessel
丸善出版
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インターフェイスデザインの入門編として

これかなりインターフェイスデザインの導入に良書じゃないかと思いました。訳した方も、インターフェイスデザインのごもごもをよく理解しておられる方だろうという感じがしました。一応、頭にUIデザインで使われる言葉は、セットしてあるので、割とスムーズに読めました。具体的な作品のディテールを元に、時に映画撮影側の事情も交えながら、インターフェイスデザインとしての理解と、ケーススタディとしての類別を行っています。

この話、多分、具体事例として映画作品がそれぞれで挙げられてなかったら、話はわかるんだけど、多分に冗長になってしまうんじゃないかなあと読んでいて思いました。スター・トレックに折り畳み電話があって、Motorollaが初めて商品化した折りたたみ式携帯電話見ると、なるほどな、ってなる、みたいな事例が出てます。そういう意味でも企画勝ちな感じがする。SFかインターフェイスデザインか、どちらかが好きだったら(これ結構元々かぶってると思うんだけど)、手にとってみて良い本だなと思いました。

“Make It So” 実現すること

ゆえあって、最近、久し振りに梅田望夫さんの著書とかを反芻する機会があって、「巨人の肩の上に立つ」みたいな世界観を僕に提示してくれたのも彼の著書でしたが、改めて考えるとインターフェイスデザインの試行錯誤の歴史って、そのプロトタイピング的なもののアウトプットはSF映画に一番色濃く出ているなあという気がしました。プロダクトとして世に出るものほんの一握りですしね。 @daichisakota さんとか、しばしば映画、UXデザイナーの視点で見てしまう、って話しされてたけど、だから面白いんだろうなあ。ただ、技術に根ざしたデザインのアイデア、という時にそれって今この時に全く新しい物として閃く、というわけではなく、こういう先達の文脈の上に乗って来て、それはしばしばアカデミックに整理されていることだけど、一方でこういうカルチャーの畑が、僕らにとっての身近な巨人の肩にもなってるんだろうなあと。

その上で、じゃあ何か大事かっていうと、この本の原題、Make It Soってことだと思いますよね。実現すること。特にテクノロジーをアドバンテージに新しいものを生み出す時に、それを実現する力があるか、ということは大いに重要なポイントになって来ます。机上の空論では意味がないし、それは今しかできないことでもない。そういう意味で、実現力、ないし実装力、みたいなものは本当に重要になるなと。

例えばSFとは大きく離れますが、昨日見かけた、くるりのPVが凄かったです。

鉛筆と消しゴムと白紙だけで作ったアニメーション! 端地美鈴が手掛けたくるりのMV「Remember me」についてインタビュー in 京都!! | white-screen.jp

鉛筆と消しゴムと白紙、だけでこのアニメーションを実現している。ベーシックだけど卓越した技術に、あと根気とか粘り強さとか、平たく言うとかけた時間が乗って作品になっている。これとても面白いと思ったし、インタビューも良いので是非読んで見てください。

もう一つ、昨日、石巻で行われた寿FES!をいつもお世話になっておりますイトナブがドローンで空撮してました。

こういうのも、今だからできるようになった技術で、いち早く実現されたもの。こういうものが現場に個人レベルに近い形でどんどん導入できるのはスゴイ大事なことだと思う。Make It Soな感じがする。

まとめ

あえてインターフェイスデザインから離れた事例を2つ並べてみましたが、でもそういうことですよね。「夢を叶える」と同じくらい「今すぐ実現する」のは大事だ。できる時にはすぐやる、という。実装力。すごく手短なところにあって、でも誰しもがやろうとは思わないことを、いち早くコンテキストにまとめられる人はスゴイ。そんなこともあり、示唆的な本でした。

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