2014/6/15

『WIRED VOL.12 コーヒーとチョコレート』 – パラダイムの提示と咀嚼

特集が「コーヒーとチョコレート」と聞いて、久し振りにWIRED購入したのですが、すごく面白くなってました。感心した。 @taromatsumura が最初にコーヒーをですね、ってやきもち坂に遊びに来てくれた時にBlue BottleやらSightglassやらBicycleやらFour Barrelやらのコーヒー持ってサードウェーブコーヒー初体験してから早1年半。日本にもBlue Bottleが上陸したし、何やらコンビニやファーストフードもサードウェーブとか言ってるし、A Film About Coffeeなる映画も話題な昨今。うーん時代だなあ感がありますね。

A Film About Coffee // Theatrical Trailer from Avocados and Coconuts on Vimeo.

というわけでとてもお薦めです、今号のWIRED。

WIRED VOL.12 (GQ JAPAN.2014年7月号増刊)
コンデナスト・ジャパン (2014-06-10)

さて、パラダイムの提示と咀嚼って副題つけましたが、ちょうど僕が大学時代に教授の方々が「パラダイム・シフト!」って呪文のように唱えていて、なんだべさと思ったものでした。

パラダイムシフト – Wikipedia

パラダイムシフト(英: paradigm shift)とは、その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化することを言う。パラダイムチェンジとも言う。
科学史家トーマス・クーンが科学革命で提唱したパラダイム概念の説明で用いられたものが拡大解釈されて一般化したものである。
パラダイムシフトは、狭義では科学革命と同義である。

今号のWIREDにもいくつかそういう提示があったと思っていて、珍しくメモを取りながら読み終えたので、シェアします。

フェアトレードからダイレクトトレード

コーヒーの話題で出てきたことですが、いわゆる流通を挟まないってことですよね。農園とロースターがダイレクトに繋がる。これは例えば、オーガニックフードとか、民芸とか、手仕事とか、まあそういうちょっとあまりお金の匂いがしないku:nel(読んだことないけど)っぽい感じの界隈でそれぞれにある構造だと思います。そういう方向は加速されている。ラインで製造される「エクスペリエンス」ではなく、作り手と届け手の「ソウル」なんだ、ってのは話としてわかる気がしました。美味しい喫茶店で注文してから美味いコーヒードリップしてくれるのとかまさにそうで。

コーヒーハウスとソーシャルネットワーク

昔、イギリスのアカデミアの人たちが、コーヒーハウスに集って、それはサロン文化みたいなこととも言えるのだと思うけど、ディスカッションをしていた、こととソーシャルネットワークの類似性が、歴史を追って説明されていて、面白かったです。昔、なんかの本でそれに近しいことを読んだ気がするんだけど、なんだったっけ(思い出したら追記します)。Wikipediaの説明が分かりやすい。

コーヒー・ハウス – Wikipedia

もともとコーヒーはイスラム世界に発するものであった。16世紀半ば、オスマン帝国(トルコ)の首都イスタンブルに世界で初めてコーヒーを提供する店が開業した[1]。カフヴェハーネ(直訳すれば「コーヒーの家」)と呼ばれ、喫茶店兼社交場の機能を果たしていた。
ヨーロッパにコーヒーを提供する店が登場したのは(諸説あるものの)17世紀半ばのことで、イスラム世界との交通の要所であったヴェネツィアに初めて誕生したとも言われる[2]。
オックスフォード、ロンドンにコーヒーを提供する店が生れたのは清教徒革命期である。1650年、ユダヤ人によりオックスフォードで開業された店がイギリスで最初のコーヒー・ハウスとされる[3]。(オックスフォードでは、1654年に開業したクイーンズ・レイン・コーヒー・ハウスが現在も営業を続けている。)
1652年にはロンドンにもコーヒー・ハウスが開店し、王政復古(1660年)、ロンドン大火(1666年)の時期を経て増加し[4]、多くの客のたまり場となった。コーヒー・ハウスでは酒を出さず、コーヒー、たばこを楽しみながら、新聞や雑誌を読んだり、客同士で政治談議や世間話をしたりしていた。こうした談義や世間話は、近代市民社会を支える世論を形成する重要な空間となり、イギリス民主主義の基盤としても機能したといわれる[5]。(フランス革命においてカフェが果たした役割と比較される。)
コーヒー・ハウスは、情報収集の場としても重要な役割を果たした。有名な店にギャラウェイ・コーヒー・ハウスがある。17世紀中頃、当時の金融センターであったロンドン・シティの取引所近くに開かれ、多くの商人が情報を求めて集まったという。また、ロイズ・コーヒー・ハウスには、船主たちが多く集まり、店では船舶情報を載せる「ロイズ・ニュース」を発行していた。店で船舶保険業務を取り扱うようになり、これがロイズ保険会社の起源である[6]。
女性客が出入りすることはなく、男性客のみが対象であった[7]。コーヒー・ハウスは活気ある社交場として栄えたが、18世紀後半以降は衰退して行き、酒場や宿屋に転業する店も多かったという[8]。一方、1717年にイギリスで最初のティー・ハウスであるゴールデン・ライアンズが開店している。コーヒーに代わる非アルコール飲料として、紅茶が市民生活に定着していくことになる。

コミュニティの議論の文脈に、このコーヒーハウスの話って外せないかも知れないですね。

シックケアからヘルスケア

コーヒーの話ではないのですが、ヘルスケアの、特にセンシング系のガジェットが特集されてて面白かったです。僕はまだ何も試してないけど、Health Kitも出たことだし、そろそろ本格化するのかも知れないですね。Jawbone Upとかがメジャーなのだろうか、今のところ。

でここのコラムにあったシックケアからヘルスケアってのは面白いなと思いました。病気や怪我を治しに行くのがシックケアとすると、そこは病院にいる医師の仕事なんだけど、ヘルスケアは、自分が自分の医者だ、みたいな指摘があって、勿論、シックケアは必要なんだけれども、ヘルスケアの重要性はこれからも増してくると思う。祖父母とかも60過ぎたくらいから寝る前に血圧測ったりとか、医療機器の延長で家でも使えるものは今までもあったと思うけど、スマートフォンを中心としたセンシングデバイスが、これからこの世界をどう変えていくのか楽しみです。

個人的にも以前、ET Luv.Lab.で岡崎研太郎さんに糖尿病劇場のお話をうかがった時にも思ったけど、医療で完結しない治療とか予防とかたくさんあるんですよね、特に生活習慣に密接に関係する分野においては。

岡崎 研太郎 – 「アートがもたらす医療現場へのエンパワーメント」 – ET Luv.Lab.

まとめ

というわけで、たまたま気になった3つのパラダイムに触れて紹介して来ましたが、まあ別に、そういう難しいこと考えなくても、コーヒーが好き、テッキーな話題が好き、というだけで十分楽しめる内容だと思いますよー。今回特にフィーチャーされてるBlue Bottle Coffeeに関しては、下のニ冊もお薦めです。

The Blue Bottle Craft of Coffee: Growing, Roasting, and Drinking, with Recipes
James Freeman Caitlin Freeman Tara Duggan
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ひとり仕事: フリーランスという働き方
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