2014/5/5

『kotoba 「食べる」って何?』 – 食べるの外郭を掘り起こす

Twitterで見かけて、面白そうだと思って読んでみました。kotobaという雑誌は初めてだったのですが、「多様性を考える言論誌」なんだそう。ほお、と思って読んでたんですが、見事に「食べる」ことの多様性を論ずるためのラインナップになってました。

冒頭は玉村豊男さんや椎名誠さんが書いてて、この辺は僕も子供の頃読んでた人達ですね。椎名さんの冒険先、例えばイヌイットのアザラシの生肉食の話とかもすごいのですが、ここからどんどんすごくなっていって、昆虫食、野生動物の肉、狩猟(雑誌の写真と一書に写した『ぼくは猟師になった』の千松さんという方が書いておられます)、屠畜解体、など様々な「食べる」について、それから無形文化遺産に登録された「和食」のこと、更には「エル・ブリ」を初めとする(名前だけ知ってるだけで行ったことなんかないですよ)分子調理法などの「科学」的アプローチ、最後はTPPや映画、在来種保存など社会や環境の問題としての「食べる」にまつわること。見事に多様であった。

それぞれのコラムは大体見開き2〜3ページになっていて、テンポよく色々なテーマについて、導入を読めます。どれも1つ1つが1冊の本になるような大きなテーマだけれども、特集の最後にはお薦めの本もついてます。全体的にストイックなアプローチだと思いました。ナチュラル&オーガニック、みたいなところよりは、格段に踏み込んでいる。僕らの食生活というのを敢えて中心においたとする時に、その外縁に本来ある外郭、おそらく僕らは普段そこに目を配らないことが多いけど、そこ思いっきり掘り起こしている感じです。導入ですが。で、ぐるりと一周、掘り返すと、今まで掴みどころがなかった円の中心がより明確に見えてくるというような按配。

個人的には屠畜場の話と、発酵食品の話、それから、分子調理法の話と在来種保存の話を特に興味深く読みました。在来種保存の話は仲間からもチラホラ聞いていて、あとここでコラム書いてるジョン・ムーアさん(SEEDS OF LIFE)のワークショップに、福島行ってるお知り合いが今日行っているのをFacebookで見かけて、なんかいよいよ世の中狭いんだなと思った次第。

「今日のランチ、何食べる?」からすると、随分と大きな飛躍がある「食べる」の話だけど、確実に僕らを取り巻く世界の外郭にある話で、特に屠畜とかはスーパーで買ってる肉とかそういう工程を経てますからね、大変勉強になった。 @chiharuh の本にも書いてあったけど、現場のご本人の話が色々書いてあって、知っておいた方が良いことだと思いました。

日々こんなことは到底考えないだろうけど、一度読んでみて、辺り見回してみると良い機会になると思いました。そういう材料になる特集でした。

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加藤 康祐 / 企画・設計

1980年1月12日生まれ。フリーランス歴15年。プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。学生時代にデザイン会社でWebデザインを経験。2005年よりフリーランスとしてキャリアスタート。これまでに個人から上場企業まで、100以上のクライアントとのプロジェクトを経験。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの編集・運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート等。趣味はラグビーと料理。Keep the head up, Bind tight & Stay low.

加藤康祐企画設計

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