2014/5/1

Human Rights Watchの『夢がもてない 日本における社会的養護下の子どもたち』を読んでみた

少しずつGWシフトに入っていて、今年のGWは残念なことに足首の炎症もだましだまし、たくさん本でも読むかなあと思っていたのですが、たまたまこういうレポートのリリースをFacebookで見かけました。

日本:家庭環境を奪われた施設入所の子どもたち | Human Rights Watch

そう言えば、自分ここまであまり読めてなかったなと思ったので、PDFをダウンロードしたところ、84ページあったので、出力して読んでみることに。感想、先に言うと読んでみて良かったなと思いました。ここからの説明が少し難しいんだけど。

まず、このレポートはHuman Rights Watchという国際的な人権団体が発表したレポートで、僕が読んだのは日本語ですが、グローバルにリリースされたものです。その上で、社会的養護下にある子どもたちの状況と問題点を世界に提示し、その上で日本に提言を行う、というのが基本的なスタンスかと思います。

国際的な基準、基準というか方法論ということだと思うんだけど、社会的養護下の子どもたちが置かれる状況が、他の国に比較して、圧倒的に児童養護施設である割合が多いのが日本なんだそう。その上で、日本を児童養護施設偏重、という捉え方をしており、そこにある問題点をインタビューの内容を引用しながら、施設養護から家庭養護(里親とか)への移行を提言する内容となっていました。

で、僕がちょっとこのレポートの難しさがあるなと思ったことを。日本の児童養護施設の制度・政策の問題と、児童養護施設が個々に抱える問題がごっちゃになっているというのと、施設養護から家庭養護への移行を提言する目的のレポートなので、顕著にネガティブ要素だけを抽出してるきらいがある。

という2点があるのかなあと思いました。だって、大学進学したら、施設の職員になりたい、って夢を語る子いるんだから。そこ1つとっても現実との乖離あると思うんですよね。ただ僕が現場の状況を把握していたり、現場にコミットしていたりするわけじゃないのだけれども、少なからず子どもたちの話す中に、このレポートでは語られていないこともあり、それは結構強い思いや、深い愛着だったりした気がしました。

ちょっと重箱の隅をつつくみたいな話なんだけど、こないだ思ったのが、たまたま一般の子で、高校中退してエンジニアになってる、という子と少し言葉を交わす機会があって「すげーな」って話だったんですけど、そういうのって仮に学校の教育にフィットしなくても、居住空間にパソコンとインターネットがあれば自分で手に職をつけれる、みたいなことだと思うんですけど、そういうことを児童養護施設で考えると、こと即戦力のエンジニアみたいな文脈だと、現状難しいのかも知れないなと。じゃあ、パソコンとインターネットあれば手に職つけられるかって言うと、全然そういう短絡的な話じゃないだろうし、高校中退してエンジニアになれる子なんてもしかしたらあの子くらいかも知れないし、わかんないですけど、だから、色々ありますよね、そういうことが。デザインの仕事をしたい相談を聞いても、僕の仕事が果たして、デザインの専門行って、会社就職して、みたいなことの延長上にあるのかどうかも疑問だし。作ることは楽しいくらいしか言えない。

翻って、レポートの話だけれども、対外的なメッセージとして、日本の社会的養護下の子どもたちがとても苦労している、ということが対外的に出るという意味において、有効な内容なのかも知れない。一方で僕みたいに「個別の事案の集合」と見ている人間にとっては、なし崩しにされてる個別の事案がちょっと多いんじゃないかなという印象も受けました。そういう意味で勉強になった。

後は一般向けには、厳しい状況にいる子の苦しいという声(このレポートの内容)だけじゃなく、社会にでる社会的養護下にあった子どもたちの前向きな声も届ける機会が必要だと思っていて、だからカナエールって大事なんだろうなということを再認識しました。僕が最初にコンテストで彼らの話を聞いたのは昨年の6月か、そろそろ1年前のことになるけど、どういう声が届くかで、応援すること自体も変わるだろうなという気がします。

僕だから実は社会的養護に関わる本は、林さんのこの著作と、いくつかレポートを読んだことがあるだけだったんですが、今回のレポート読んで良い意味で視野が広がったというか、少し、全体を引いて見れた感じがしてすごい勉強になりました。レポートは無料で、冒頭のリンクからPDFでダウンロードできます。林さんの本に関しては初読の感想書いてます。カナエール 2014 夢スピーチコンテスト、宜しくお願いします。ここに書いてあることとは違う彼らがいると思います。

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加藤 康祐 / 企画・設計

1980年1月12日生まれ。フリーランス歴15年。プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。学生時代にデザイン会社でWebデザインを経験。2005年よりフリーランスとしてキャリアスタート。これまでに個人から上場企業まで、100以上のクライアントとのプロジェクトを経験。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの編集・運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート等。趣味はラグビーと料理。Keep the head up, Bind tight & Stay low.

加藤康祐企画設計

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