スポンサーシップとCSR – 『明日、ママがいない』の話など
少し落ち着いたので、書こうと思ったんですが、『明日、ママがいない』というドラマが話題になっています。紛糾していると言っていいくらいか。僕は基本的にテレビを観ないので、ご多分に漏れずこのドラマも観ていないのですが(なかなかドラマ観るような時間って今日日作れないですよね)、お手伝いしているカナエールのこともあり、話題としては気になっていました。基本的に番組の内容がどう、という話はだからしません。
このドラマに関しては色々な言説があって、ただ、スポンサーが番組降りたというのがクリティカルかと思いました。
「明日ママ」次々スポンサーCM見送り 3話以降キユーピー、JXホールディングス、日清食品、スバルも (1/2) : J-CASTニュース
テレビの広告ってなかなかその意味性が捉えにくいなとも思うんだけど、純粋に「番組に対するスポンサード」ということで考えると、もしこの番組が児童養護施設の現状という社会問題へのアプローチと注意喚起にあるならば、そのスポンサーが降りたってことですよね。
ETもユレッジで地震防災の話とかしてますけど、基本的にはWebサイトに対するスポンサードで成り立っているわけで、ご存知の通りかなり自由に今地震防災に関する取り組みとして必要なメッセージを送りつつ、でもスポンサーにそのことの意味性に理解を得ていないと継続できない。
だから結構、構造的に同じだと思っていて、結局、良心の所在とその節度の問題だと思うんですよね。
先日、ブリッジフォースマイルの林恵子さんを含む、児童養護施設の関係者やそのサポートに関わる方々がラジオ番組に出演したのでradikoで聴いてました。PodCastでも聴けます。
2014年01月23日(木)「児童養護施設の実態」(探究モード) – 荻上チキ・Session-22
聴きながらTwitterに僕が思ったことメモしてたんですが、大分勉強になりました。
この問題を取り上げること自体に悪はないというか。その上で、という話ですよね。個人的には、結局、話したことある人がどう思うだろうか?みたいなことしか考えられないから、その影響を語れる人は、たくさん深く実際に関わる人達と話したことがある人、ということだと思いました。
その上で、現場でやらなきゃいけないことが増える、って認知(番組の中では覚悟という言葉を使っておられました)ということだと思うんですよね。そういうことへの想像力は働かせておいたほうが良いと思いました。思想的にというか、現実問題として、やっぱり現場は大変なんだろうと思うし、そういう人たちが一番当事者とたくさん深く話したことがあるんだろうし。
僕が手伝っているのは、広告とかWebとかコミュニケーションとかデザインとか撮影とか、ETのリソースでカナエールというプロジェクトをサポートできる部分であって、子どもたちをサポートしているわけではないです。ただ、少なからず、今回のドラマでコミュニケーションの部分がとっ散らかる可能性はあって、そういうところは少し頭に置いておかないといけないのかも知れないなあとは思ってます。一方でできることはそんなに多くないだろうなということと、まだドラマは始まったばかりでこれからどういう影響を及ぼしていくかもてんで読める範囲じゃなかろうと思いました。
ただ、ここで一つ言えるのは、民間のテレビメディアが番組として社会問題を取り上げる時に、そこはきちんとCSRとして設計されてないといけないんだろうなあと。クライアントの顔色をうかがう、ということではなく、さっき書いた社会問題にアプローチしていく上での良心の所在と節度、ですよね。だから、やっぱりスポンサーが降りた、ってのはプロジェクトをやる人間の視点からするとクリティカルじゃないかなあと思いました。
後はしっかり自分の畑で手を動かしていきたいと思います。そんな感じ。

加藤 康祐 / 企画・設計
プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。
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フリーランスとして働き始めるってどういうことだったのか?フリーランスとして働くってどういうことなのか?フリーランスが目指すことってなんなのか?5年間の自分の経験から書きました。(2010年執筆)