
多治見
さて、多治見の朝、起き抜けまずは虎渓山永保寺という禅寺に行って来ました。多治見駅から徒歩30分ほどの小高い丘にあるお寺さん。インターネットで調べたところ5:00から入場できるということだったので、日の出とともに訪問。良いところでしたよ。
ホテルに戻って7時くらい。朝食を取って、お目当てのアポが11時だったので、多治見の街を店は開いてないことは了解しつつブラブラ徘徊してました。ただ、天気が荒れていて雨に降られ。
さて、ここからが本番。
こちらのギャラリストの方をご紹介いただいてお話をうかがいに行きました。多治見駅の隣、小泉駅から徒歩10分かからないくらいの場所にあります。
ギャラリーのスペースで1時間ほどお話をする時間をいただきました。急な訪問にもかからず、色々教えていただいて、帰路、伊藤秀人さんという作家さんの展示の初日が行われている陶林春窯というギャラリーに寄っていただけることに。
地元で頑張る若手作家の発表の場を作ろうという思いから
平成9年より活動してきました。
とあるように、メディアでも話題の青木良太さんなど、様々な作家さんを扱ってらっしゃるようです。今回展示を行っていた伊藤秀人さんはパラミタ陶芸大賞というのに選ばれたところだったそうで、たくさんのお客さんがギャラリーに足を運ばれていました。白磁の繊細な器で、今まで僕の観て来たものとは違った趣がありました。
さて、というわけで、僕はこの辺りの話を全然知らなくて、というのも、あまりクライアント以外の作家さんの作品ってこれまで見て来なかったし、うちにあるのはいわゆる民芸と呼ばれるものが多くて、ただ、陶芸雑誌と言わずとも、ライフスタイル誌などでも若手の作家さんなどここ数年取り上げられるようになりましたし、しばしば観光で萩行ったり益子行ったりしてたからそういうものを見る機会もあったんですけど、エアポケットというか、触れてこなかった世界だったのです。
ただ、その辺り、実は面白い世界だなあと思っていた部分もあって、というのも今日も話していたんですが、陶芸の世界にある構造って色々な業界にある構造だと思うんですよね。多分それがデザインであっても建築であってもあるようなものが。僕が25歳くらいからチャレンジできたってのは、なんだかんだWebの業界がまだまだ若かったという部分もやはりあって、ただそういう分野がこなれてくると、特にフリーランスに近い領域は、そういう手仕事の分野に比較的倣う部分もあるのかなあと思うのです。
それは例えば単価の問題だったり、ボリュームの問題だったり、回転率の問題だったり、その上での作品性の問題だったりするのかも知れないけれど、これは教えてもらった部分が大きいのですが、若い作家さんが有名になって比較的手の届く値段で、割と幅広いレンジにカジュアルにボリュームを売る。それはそれで成立しつつも、じゃあそれを10年、20年続けていくのか、みたいなことは、僕らも日々考えている部分なのかも知れないなあと思うんですよね、分野は違えど。
勿論、今回の訪問は、どちらかというと「多治見に面白い人がいる」という話が導入で、「多治見ってどんなところですか」くらいの按配で訪問した部分も大きいのだけれども、思いの外、そういう話が聞けて、できて面白かったです。多分、僕が伊部に行った時にお話うかがっててよくよく考えることとかもどちらかというとそういうことよりの気がしていて。平たく言うと「個人の働き方の問題」ですよね。
その上で、やはり備前と多治見では産地としての性格の違いもある、というのもあるようで、備前というすごくキャラクターの強い産地もあれば、多治見という比較的大量に皆の手に届くものを作っていた産地もある。その上で、どうやら多治見の面白みは「情報が集積される」ということにあるようでした。プレイヤーもたくさんいるし、取り扱う店も多いし、それらの教育や啓蒙に携わる人の多さもある。そういう場所と場所でのコントラストはやはりあるようで、勿論どちらが良いという話ではないのですが、僕自身も備前でうかがっている話と多治見でうかがっている話にはやはりコントラストはあるんだろうなと感じました。
どの上で、自分がどういうものを目にするかというのはまた別次元なんだけれども。
今回、本当に訪問してよかったと思っていて、以前よりももう少し、その辺の話を立体的に捉えられた気がしました。
さて、残ったのは観光。
多治見で朝とお昼と2回同じ喫茶店で休憩を取ったのですが、飲み物頼むとついてくるのね。。。両方とも350円。
お昼は鰻を「半」でいただきました。まあトースト食ってるし、半でも美味しかったので、充分でした。で、本町オリベストリートというのを歩きつつ、今回は何も買わずに多治見を後に名古屋に向かいます。で、調べてたら、今、あいちトリエンナーレの会期中なんですね!
というので長者町エリアのチケット買うの勿体ないので、無料の展示だけ観て来ました。実は横浜トリエンナーレしかり、現代美術の展示はあまり得意じゃないのですが、展示会場になっていた純喫茶クラウンというのが良い味出してました。
いくつか見て名古屋駅戻って、仕事ガツガツしつつ、これから単身赴任中の後輩に会えれば会って帰ろうというところです。
今回はスペース大原に話繋いでもらって、行けて、色々教えてもらったってのが全てなんですが、なかなか面白い経験ができたと思います。良い勉強になった。話繋いでくれた人と、それを出迎えてくれた人、両方に感謝です。なんかやっぱりちょっとだけでも接点の持てる全く別の世界に、何らかの共通項を見出せるというのは面白いし、重要な財産だよなあ、と思います。
大変お世話になりました。ありがとうございます。

加藤 康祐 / 企画・設計
プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。
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フリーランスとして働き始めるってどういうことだったのか?フリーランスとして働くってどういうことなのか?フリーランスが目指すことってなんなのか?5年間の自分の経験から書きました。(2010年執筆)