2007/2/5

プロダクトのソフトウェア化とコンサルタントのプロデューサー化

たまたま「伊藤洋一のポッドキャスト」という番組の第43回、2006年7月24日配信の『イノベーションの時代~世界のCEOは何を考えているのか』を聴いてみたら非常に興味深い内容でした。本題は「イノベーション」についてで、住信基礎研究所主席研究員の伊藤洋一氏とIBMビジネスコンサルティングサービスの金巻龍一氏のやり取りだったのですが、その中でも興味深いフレーズだったのが、「プロダクトのソフトウェア化」と「コンサルタントのプロデューサー化」ということです。

まず、「プロダクトのソフトウェア化」について。何と現在「ミサイル」の値段は70%がソフトウェア代金なんだそうです。そして、モノ作りで最も大事な成果物、製品に占めるソフトウェアの割合が高まれば、それは当然ソフトウェアですから、バージョンアップなど様々なサービスがそこに付随してきます。となると、自然と製品による収益構造、その背後にあるビジネスモデルも変容を迫られてくるという話でした。

そう言えば、遂最近、Apple Computers, Inc.がApple Inc.に変わりましたが、これはコンピューターを扱っている業態からの脱皮によるブランド名の変更というより、Appleの提供する製品でどんどんプロダクトのソフトウェア化が起きており、iTunesを初めとして、収益構造がコンピューターの販売というところから逸脱しつつあるということなのかも知れませんね。

IBMもInternational Business Machinesの略称ですから古くはコンピューターを製造する会社だったわけですが、一昨年ThinkPad部門は中国のLenovoに売却され、テクノロジーによるイノベーションを推進する会社になりました。いわゆる、システムとかソリューションとかがコンピュータに対するものだけでなく、様々な製品に対しても提供されている、それを製品の側から見れば、それは即ち「プロダクトのソフトウェア化」ということなのでしょう。

一方、「コンサルタントのプロデューサー化」について。「IT」というよりむしろ「Technology」を企業のイノベーションに結びつける、そういう役割においてコンサルタントは知恵を貸すとか情報を提供するという立場から、より現場に近い立場から、場合によっては事業会社とリスクをシェアすることも厭わない、「プロデューサー」に近づいていくだろうという話でした。

たまたま僕はコンサルタントという肩書を少し疑ってかかっているタイプの人間で、「言うだけ言うのにリスクは背負わない」というタイプの職業だろうと思っていたのですが、こういう話を聞くと、博学の先生、アドバイザーというより、一緒にプロジェクトを動かしていくパートナーとしての機能を、コンサルティング業界も志向し始めていることがわかり、なるほどなあと思いました。

勿論、先述の金巻氏のIBMビジネスコンサルティングサービスのような、バックに大きな資本力がないと、なかなかこう言ったリスクを背負ってのプロジェクトないし企業経営への参画はできないのでしょうが、新卒の学生が目指すのには、コンサルタントよりビジネスプロデューサーの方が何だか夢があるような気もします。

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