2013/5/29

防災雑感 – ユレッジを始めて見えて来たもの

ユレッジを4月にリリースして以来、早2ヶ月ほど経ちます。まだ2ヶ月ですが、コラムの更新、Blabo!との連携など、少しずつ、プロジェクト自体が目に見える形を持ち始めて来て、今のところ良いペースで進んでいると思います。今日も渡邊 享子さんから寄稿いただいた原稿を公開しました。

「【防災】の制約を超えていく社会と環境のデザイン」 – ユレッジ : 日本の「揺れやすさ」と地震防災を考えるサイト

とても良い原稿をいただけて、多くの人に読んでいただきたいなと、個人的にも思っています。

というか、おそらくユレッジはET Luv.Lab.と一緒で「僕が一読者である」という類のサイト。それがゆえに毎回お願いする相手も、その原稿も、大事にしたいと思います。これは「Think Like A Bird」のコーナーに限らず、「地震ハザード読みこなし隊が行く!私らしい防災知識Webセミナー」も同様。僕は熱心な読者だし、今のところユレッジはこの両輪が並行して更新されていかないと、平衡感覚を保てないとも思ってます。それが1st Phaseにおけるユレッジの基本的な設計で。

ユレッジをやっていて思うのは、防災って突き詰めると「人間の生と死」に否応なしに関わってくるトピックなんですよね。こないだ福岡言った時にも話してたんだけど、人は対象となる事象を形容する言葉を持たない時に、しばしば、拒否反応を起こす。それが例えば不謹慎という言葉になったりする。

ただ、だったら言葉を増やせば良い気がしていて、既存の防災の枠組みの中で使われていない言語をその世界に持ち込むのがユレッジだろうし、そういう意味では色々な視点を、「言語」として防災に持ち込めたら良いなと思ってます。それで拒否反応じゃなくて良い化学反応が起きれば良いと思います。勿論、全てが全て、ポジティブ・インパクトじゃないだろうけど。ただ、そういうことを排除すると、誰の言葉かわからなくなる。

先程も書きましたけど、「人間の生と死」に関わるトピックだからこそ、そこにはしばしば、人の気持ちというか、思いとか憤りとかやるせなさとか、そういうものが見え隠れするんだと思います。ただ、論理が人の琴線に触れるには、そこに感情が働くことが必要で、そういう意味でも「生きた原稿」をいただいていると思います。

僕自身、ネタというか、手札というか、時間があれば防災に関する自分の引き出しを増やそうと思っていて、それはイベントだったりグッズだったりするだろうし、とは言え、「防災そのもの」に対しては僕はあくまで門外漢で良いだろうと思っていて、それは農業とか他のトピックに関わる時と同じですけど、現場に常時いるわけでもないから、そういう意味ではETの基本的なスタンスを、ユレッジにも投影していければ良いと思ってます。

これからのことは原稿含め色々考えていて、ユレッジって実はコンテンツ、6ページのサイトなんですよ、現状。そういう意味でも、普通のメディアの方法論に乗せていなくて、マスプロダクションはできない代わりに、良いものを良い形で出していくことを続けていければ良いなと思っています。

マイルストンは置けるにしても、ゴールは決して定まらないプロジェクトでもあるから、であるからこそ色々な分野と共有できるプロジェクトにしていきたいですね。次の原稿ももうすぐです。

加藤 康祐 / 企画・設計

プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。

加藤康祐企画設計

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