
TEDxKeioSFCに行って来た
まず、今回は本当に @nom555 さんに感謝。SFCのOBなんてそれこそ星の数ほどいるけど、たまたま僕にスポンサーの話を持って来てくれて、とにかくやりたいという話を聞かせてくれて、僕もTEDがSFCである、というだけでは、当日足を運ばなかったと思うし、久し振りの高校大学通してのラグビーの大先輩ともお話できたし、何より、TEDxKeioSFCというイベントが素晴らしかったです。ありがとう。お疲れ様でした。
さて、サマリー出してもしょうがないので、僕はSession 2から伺ったのですが、それぞれのTED Talkの雑感をさっくり記録に残しておきたいと思います。
福原 志保さん
前半のパーソナルな経験と思いをしんみり聞いていたら、それが途中から人のDNAを木に移植するって話になって。彼女の言う、「日常的な生物学」を一番親近感を持って体験できる文脈だったと思うし、最後の自分の祖母のDNAを移植したりんごの木からできたりんごを食べれるか?という問いはとても興味深かったです。科学って、人間の日常においては、命題の解を提示するんじゃなくて、取り得る新たな選択肢を提示する仕事なのかもなあ、と感じました。
小檜山 賢二さん
ゾウムシを語るコッヒーかわいい(別に僕が教え子とかではない)。というわけで、知り合いが結構小檜山研究会出身で、確か僕の中学の先輩にもあたるはず。研究は結局対象物への愛なんだなあと思ったりしました。マイクロプレゼンスって概念って、おそらく世を視る尺度を伸縮するみたいな作業だと思うのですよね。ある意味、今日の最後に話した村井さんの話とも通じるところがあって、そういう寄与の事実として人間が携えて来た垣根をなくす、という意味でのスケールアウト、だけじゃなくて、スケールインみたいなこともあるんだなあという学び。
向田 麻衣さん
実は一回お会いしたことあるんだけど、その時、ご本人風邪引いててあまりお話できなくて、でも、友達がコフレのWEB手伝ってたり、一時画伯の仲間が向田さんと繋がっていて石巻のイベントの時に声かけ頼まれたり、そもそも僕が初めての石巻訪問で泊めていただいたかめハウスが元々向田さんのご親族の家みたいな話もあって、行く先先で聞いていた名前。彼女は話すのがうまいというより、話すこととすごく丁寧に向き合っている印象で、彼女の話の温度と湿度はすごく心に染み入るものがあって、美しさ、みたいなことを素の言葉で語れるっていいなあと思いました。
岩田 松雄さん
リーダーシップ教育を現在のミッションにしている岩田さん。すごくわかりやすい話の中で、でも主に学生さんたちに、高過ぎず、低過ぎず、極めて丁度良い、でも決してぬるくない、ハードルを提示されているなあと思いました。
税所 篤快さん
すごかった!行動力も素晴らしいし、実行力も素晴らしいし、でも何より、「俺やっていることスゲー楽しいんだよ」ってことが全身を通して伝わってくる話で、こういうの輝いているって言うんだろうなあと思いました。ただやっていることは激烈で、バングラデシュ行ったり、ガザ行ったり(ガザ、国連軍に随行して入るんだよ、学生が)、こういう人は本当にどんどん行けば良いなー、と思いました。完敗、というよりかは、万歳!って感じ。
黒川 清さん
とっても素敵な円熟味のある、でも聴衆への思いやりに溢れるプレゼンテーションでした。そう言えば事故調で東大というと児玉龍彦さんを思い出すけれども、良心と良識ある人が、若い世代のために動いているのであれば、まだまだなんとかなるとも思ったりしました。
高桑 早生さん
高桑さんの話はわかった気にはとてもなれないし、ただ挫折したからこそ今ひたすらに楽しいと言えるみたいなことは僕の経験則の中にもあるので、素敵だなと。苦しい経験を「スパイス」って言っていたけど、その一般的な意味での「人生にとっての悪いこと」こそが、今の自分を作り上げているって話って、今の自分のやっていることに本当に充足していないと言えないことだと思うんですよね。最後、義足を見せてくださって、競技用の義足にも履き替えてくださったけど、こういう人がテレビの向こう側だけじゃなく、同じ教室にいるという学生さんは、なんか普通と違う価値観を携えて社会に出れるんじゃないかとか。
山中 俊治さん
さすがにデザインの仕事をやっていると、山中さんの名前くらいは知っているわけで。今日は実際にデッサンするところを順を追って実演してくれて。もしかすると美大にいれば当たり前のことなのかも知れないとても基本的な話だったけれども、最後、山中さんが高桑さんのためにデザインした義足を履いた高桑さんの走る姿が画面に描き出されていった時には、会場から感嘆の声が漏れました。静寂と感嘆と、その狭間にある手の動き、そういう文脈はプロにしか作れないなあと。
村井 純さん
ご存知インターネットの父、の話を僕はSFCにいて、しかも仕事はネットだったのに、実は初めて聞きまして。僕が特に印象的だったのは、「国連はInternationalの話をしたけど、俺らはGlobalという話をしているんだ」という部分で、その前提となる問題設定というか状況理解の違いって、うーんやっぱりある種のアナーキーというか、村井さんを村井さんたらしめているところなんだろうなと思いました。後は自分の喋りたいことを熱弁する情熱オヤジ、という感じでしたが、子供の頃に山積みにしていた『子供の科学』に、ようやくオファーを科学者としていただいた、というエピソードを語る時、本当に嬉々としていて、それはだから小檜山さんの話とも繋がるんだけど、原体験を最後の最後まで大事にできる人達って良いなあと感じました。
というわけで、駆け足でまとめましたが、本当に良いイベントだったと思います。TEDも色々ブランチが分かれて、文化として根ざし始めている反面、色々な組織やコミュニティとしての難しさもあると思うんだけど、オーガナイザーのできることって、本番そのものではなくて、本番の前と後だけなので、そういうことを丁寧にやっていけば、これからも続く何かになるんじゃないかなあと思うし、少なくとも、今日もし僕の知り合いが会場に足を運んでいれば「最近の若いものは」とか「最近の年寄りは」とか絶対言えないよ、と思います。世代とか関係なくすごい人はすごいし、そういう人達は皆、楽しそう。
という感じで、楽しかったですw。

加藤 康祐 / 企画・設計
プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。
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フリーランスとして働き始めるってどういうことだったのか?フリーランスとして働くってどういうことなのか?フリーランスが目指すことってなんなのか?5年間の自分の経験から書きました。(2010年執筆)