選挙のKPI指標は投票率か、という話
明日、ラグビーなので期日前投票組なのですが、なんか腑に落ちないなあと思うのが、物心ついた頃から、選挙に行きましょうって話を聞いてて、今回も色々なところで選挙に行きましょうって話を目にしてて、僕もそれはとても大事なことだと思うんですけど、それでいいのかなあと思う気持ちがあって。
KPIってありますよね。Key Perfomance Indicator。昨今ですとマーケティングの世界などではお馴染みの用語ですが。一応定義をWikipediaから拝借。
組織の目標達成の度合いを定義する補助となる計量基準群である[1]。KPIはビジネスインテリジェンスにおいて、現在のビジネスの状態を示すものとして使われ、今後の対応策でどうなるかを予測するのに使われる。KPIをリアルタイムで監視することをBAM(ビジネスアクティビティ・モニタリング)と言う。KPIは、リーダーシップ育成、雇用、サービス、顧客満足といった定量的計測が難しいものを定量化するのに使われることが多い。KPIは(例えば、バランスト・スコアカードのような技法を通して)一般に組織の経営戦略と関連している。
例えば、スマートフォンのアプリとかだと、ダウンロード数とか、ユーザによるコンテンツの投稿数とかがKPIの指標になるわけですが。
ふむ。で、まあそもそも選挙の目的自体も、良い国作りましょうってばっくりとした話から、利益の代弁者を当選させましょうって話から、原発の話やら徴兵制の話から個別の事案もあるかも知れないし、まあばらけると思うんですが、すごく平たく良い国作りましょうって話だとして。
という時に良い国作るための選挙のKPI指標って投票率かなあ、本当に。いや勿論、ちゃんと勉強して投票しようって話も目にするし、慎重に判断して投票しようって話も目にするし、ただ選挙って一連のプロセスを見た時に、「選挙そのもの」の評価について、投票率しか中立に数値化できている指標がないって結構問題じゃないかなあとか思ったんですよね。なあんか選挙に行くと、より良くなるみたいな感じが常識っぽくなってるのも怖い気がするというか。
まあなんか僕も全然答え持ってないんですけど、選挙権手に入れてからこの方、投票行きましょうって話はすごい聞くけど、自分が投票した人のために何かしましょうって話にあんまりなんないよなあとも思ったりしていて。政治に対するやることやった感のハードルってすごい低く設定されている気がしていて、なんか20代くらいからすごいそれについては悶々としてるんですけど、主に自分の問題として。だから、投票した人のビラ配り手伝いましょうっていう話でもない気がするし、なかなか出口の見えない話なんですけど。
一つ思うのが、投票しても個人があんまり面倒臭いこと引き受けないじゃないですか。勿論、先に挙げたみたいな原発の話から徴兵制の話から、候補者の政策に応じて、本来的に面倒臭いこと引き受けるんだろうけれども、割とそれ大きな話で、まあだからある意味、政治家とか政党って「メディア」で、直接的に面倒臭いことを投票と同時に引き受けるって構造は多分なくて。だから、投票したら面倒臭いことを同時に引き受けるような制度にするべき、って話でもないんですけど。
なんだろうな、ホント見えないですけど、投票率が上がれば政治は良くなるって必ずしも皆思ってないのに、関心・無関心はまた別の問題として、選挙に行きましょうって話が解になってるのは、なんか多分噛み合ってないですよね。でも、事前にどれだけ調べたかとか、社会情勢どれくらい把握しているかとか、別に数値化できる話でもない。だからしょうがない、じゃなくて、その状況自体が結構まずいんじゃないかなあとか。どこの党に、どの候補者に、票が入ったかって言うのは、それこそ思想や信条の問題ですし、中立に選挙そのものの評価に使える数字じゃないですし。
選挙の話、今回見てて、一番ピンと来ないのは、多分ここだなあという気がしました。

加藤 康祐 / 企画・設計
プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。
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フリーランスとして働き始めるってどういうことだったのか?フリーランスとして働くってどういうことなのか?フリーランスが目指すことってなんなのか?5年間の自分の経験から書きました。(2010年執筆)