2012/11/19

「製造業」のノマド化

先日、ハードウェア系のスタートアップの人達と、偶然(ホストが狙って俺を呼んだとは思ってない)ホームパーティでご一緒する機会がありまして、ちょうど『MAKERS』を読んだ後でしたから、完全にChris Andersonによる俄ハードウェア系面白いんじゃね、着想に縛られておりまして、まあ落ち着いて考えると感化され過ぎだろって気もしてるんですけど。

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ちょっと古い話を振り返ると、DELLとかSOTECみたいな会社は製造部分を完全にアウトソースというかOEMに頼って、BTOでカスタマイズ可能にして、パッケージングやマーケティングで、割と一世を風靡したというか、格安PC旋風を牽引しましたよね。まあただ、あれは多分、少ロットで機能する話じゃないよねえ、という気がします。

僕が小さい会社でも製造業というかメーカーやるんだ、と最初に思ったのはCerevoか。ちょっとお話うかがう機会もあったのですが、面白いなー、できちゃうんだなー、と思った覚えがあります。そうそう、やってる人はやってるのです。

ちょっと毛色が違いますけど、例えば美容とか健康系の商品とか、割と小さい会社が多い気もしますが、あれは成分を決めて工場に発注すればできちゃう。それこそパッケージングやマーケティングの問題だったりして、ただ、あれってだから「組み合わせ」の世界なので、いわゆるメーカーと呼ばれるような製造業とはまたちと違う。あ、でも逆に先行事例と考えることはできるかも知れないですけどね、その業界。

さて、MAKERSの世界に目を向けると、3Dプリンタを始めとした様々な技術で、ラピッドプロトタイピングしたり、ということができるようになった。開発コストはぐぐっと圧縮できる。つまりイニシャルコストが下がる。

その上で、でも少ロットとは言え、採算取るにはやっぱり初期投資がいるわけです。初期投資というかまとまったお金か。Kickstarterのようなクラウド・ファンディングがある、とは言ってもそれだけじゃ抜本的な解決策にならないですしね。リスクはこういう時代に取るの厳しいですから、本当はクレジットカードの限度額くらいでおさまれば良いのですが、少ロットでいかに採算ラインに乗るかというのが勝負になってくる気がします。

ここからビジネスの話。ちょっとソーシャルの話っぽくもあるんだけど、つまりエンゲージメントをどれくらい作るかなんだと思うんですよね。プロダクトに対して。1名の農家に100名のお客さんがつけば大丈夫、というような話と実は構造は大して変わらなくて、1つのプロダクトに100名の購入者がつけば大丈夫、という状態。

だからさっき抜本的な解決策にならない、って書いたけど、やっぱりクラウド・ファンディングは良い線なのかも知れなくて、極めて嗜好性の高い商品を産み出すメーカーに、コミットメントの高いユーザが紐付けば、独立したマーケットとして機能する、というラインで数字の帳尻を合わせないといけない。

それはプラットフォームによるものなのか、意外と地域性によるものなのか、それともコミュニティへのターゲッティングなのか、他の購買力の高いプロダクトへの相乗りなのか、わかんないですけど、なんかエコシステム的にはそんな感じですよね。

スケールさせないと儲からないから頑張って金を借り入れて頑張る、っていうのは多分これからの時代にそぐわないと僕個人は思っていて、スケールさせなくてもそれなりに採算性が取れるラインに乗せれるビジネスの設計みたいなものを描き出すことが、技術の傍にいる人の仕事なのかなあ、などと思いました。

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加藤 康祐 / 企画・設計

1980年1月12日生まれ。フリーランス歴15年。プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。学生時代にデザイン会社でWebデザインを経験。2005年よりフリーランスとしてキャリアスタート。これまでに個人から上場企業まで、100以上のクライアントとのプロジェクトを経験。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの編集・運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート等。趣味はラグビーと料理。Keep the head up, Bind tight & Stay low.

加藤康祐企画設計

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