2012/10/18

んで、結局、後輩に薦められる仕事になったのか?という話

さっき、友人にSFCも僕らの代くらいからちらほらネットとかよりソーシャルビジネスみたいな方になったんですよね、みたいな話を書いてて思い出した、独立以来のビッグトピック。というか、多分、仕事始めて以来のビッグトピック。「後輩に薦められない仕事をしています」、という話をもう一回やってもいいタイミングなのかなあとか思いました。

僕かろうじて就職活動したことあるくらいで、基本的に就職したことないし、会社勤めたことないんですけど、一応ラグビーやってるので、何となく後輩の就職相談とか聞く機会とかあるんですよね。まあどちらかというと僕にとっては今の学生の関心事のヒアリングに近いんですが(だから割と面倒臭がらずに乗るという話はある)。とは言え、もう10年経ってるし、全然違う時代になっちゃったし、会社勤めしてないので、全力でやれ、くらいしか言うこと実はなかったりもするんですが。まあでも意外と全力でやれって言うだけの人とか少ないかも知れないしなー、とかはあるんですけどね。

さて、その後輩に、例えばフリーランスを薦めるかって話ですけど、絶対薦めないですね。というか、結局、フリーランスって薦められてなるもんじゃないなあとも思います。酒飲み話で冗談で「独立すればー」みたいなことは前よりは言うことに抵抗なくなったかも知れないですけど、ホント、独立の相談されて、いいんじゃないですか、みたいな話をした人も5人もいないんじゃないですかね。それぞれそれぞれの分野で僕よりもてんでできる人達でしたし。後、僕のようなものに相談する段階では、大概、腹づもり的に多分ほとんど決定事項なんだとも思うんですけども。まあだから、こちらも、基本的には、仕事楽しいですよー、みたいなことしか言ってない。でもそういうことだけ言う人は少ないかも知れないしなー、ってのは就職相談と同じロジックなのかも知れないですね。

「後輩に薦められない仕事」という時に、最初にそういうことを考え始めた時は、僕も自分のことをフリーのWEBデザイナーだと思ってたと思うんですよ。だからその設問は結構機能していた。なんだけれども、今ももしかしたら僕はフリーのWEBデザイナー、というフレームで考えられるかも知れないけど、最早そこに僕のアイデンティティはない、というか。だから「後輩に薦められない仕事」という文節があった時に、「薦められない」対象の「仕事」ってそもそも何なの?何を指すの?みたいな感じになっちゃいますよね。若干、禅問答感ありますが。

それが働き方の問題なのか、ワークライフバランスのことなのか、対象顧客なのか、事業領域なのか、サービス内容なのか、まあでもそれらいずれもあってないようなものというか、大変フワフワしておるので、なんか「◯☓△は薦められない」みたいな僕の頭の中でも整理できない問題になっちゃう。

ただ、今日割とわかりやすい言い方を思いついて、知り合いの役に立つこと考える、ってのがとどのつまり僕の仕事で、本当それやって食べてるようなものというか、そうなので、それを後輩に薦められるか?って言うと割と薦められるかなって気もしました。できるできないは人によりけりだと思いますけど。

まあでも冒頭の話じゃないですけど、時代の変遷で社会の通念や人の価値観や判断の勘所や職業への倫理とか変わるし、変わって然るべきだと思いますから、あんまり年の離れた子に自分の仕事薦めるのとかそもそも苦行のような気がしていて、すごく抽象的な、だから知り合いの役に立つこと考える仕事、くらいなら、それはものの考え方として薦められるけど、それ以上のことはあんまり薦められないな、というのが現時点での感想かな。

良い悪い楽しいつまらないとかの話ではなく、僕の仕事は後輩に薦めるようなもんじゃないですねー、相変わらず。

加藤 康祐 / 企画・設計

プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。

加藤康祐企画設計

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(2012-10-5)
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