2012/9/5

器の話

しっかりすっかりおっさんですね、って言う話ですけども。最初に断っておくと別に器の話、詳しいわけではなくて、たくさん見ているわけでもないし、足げくどこかに通っているわけでもないです。

まあただ、思い起こすとやっぱり伊部に訪問したことがすごい影響大きくて、神前に祈りを捧げて、寒い中薪ストーブ炊いて、夜な夜な窯に薪をくべて、窯の温度をじっくり窺う、みたいなものを見てしまうと、自分がやりたいとは思わずともやはり興味は湧いてきてしまうわけで。

多分、その頃からだと思うんですが、白洲正子さんの本が面白いということに気付いて、割と手当り次第読みました。文章好きだ、っていう抜本的な理由もあるんだけれども、そういう世界に僕がパソコンに向かってデザインしていることとの共通点はあるんだろうか、とか、そもそもこれだけこの人駆り立ててるものってなんなのかとか。実際の作り手が書く本って少ないから、こういう人の存在は大事だと思います。

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ただ、器に関して言えば、「なんて素敵な器なんだろう」とか「これ無茶苦茶かっこいいですね」とか言うこと、僕はあまりないです。どちらかというと、「これだったら使いたいかな」とか「これだったら置いておきたいかな」とか言う塩梅。まあ、置いとくより、使った方が絶対良いと思いますが。

だからやっぱり道具である、というところにその魅力は収斂されている気がしていて、ただシンプルなものより表情があるものの方が俄然好きだし、洋食器より和食器のほうが好きだし、みたいな嗜好性はある気がします。

そう言えば、山久の器、いいんですよね。自由が丘の蕎麦屋さんなんですけど、僕あの店が多分その手の店で通うようになった初めての店で、飯も美味いし、酒も美味いし(まあ近年は割とビールですが)、だけど食器が楽しいと食事やっぱり楽しいです。

別にいいもの集めればそれでいいわけでもなくて、実家の食卓に並ぶ皿とか大体好きですよね。もうずっと使っているから愛着がある。頼んで作ってもらった備前焼もあるし、パン屋のスタンプカードでもらった皿もある。まあでもそういうのもこないだの経年変化の話にも繋がっていくのだと思うのだけど。

ただ、器ということを考えた時に、そこには何か「愛着への導線」みたいなものが必要だと思っていて、それは道具全般に言えることなんだけれども、それは多分色々なものが引けて、そのモノとの邂逅かも知れないし、由来や背景にある歴史かも知れないし、もっと普通に食卓の記憶かも知れないし、だから、そこそここだわってみるのは良いことなのではないかと思います。

というわけで、煮物を入れる深皿を、沖縄のやちむんで何か良いものはないだろうか、と虎視眈々と狙っている昨今。

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加藤 康祐 / 企画・設計

1980年1月12日生まれ。フリーランス歴15年。プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。学生時代にデザイン会社でWebデザインを経験。2005年よりフリーランスとしてキャリアスタート。これまでに個人から上場企業まで、100以上のクライアントとのプロジェクトを経験。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの編集・運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート等。趣味はラグビーと料理。Keep the head up, Bind tight & Stay low.

加藤康祐企画設計

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