2012/8/10

インセンティブ・クライシスと、その先の世界と

先日、知人に薦められてこんな記事を読みました。僕は別に教育に対する知見はそんなにないので(母親が教育者だったということと、知人が教鞭を取っていたりはするけど)、基本的には自分の経験で咀嚼するしかないのですが、割とわかる話というか。

「学力と階層」解説 (内田樹の研究室)

おそらく初等教育の承認欲求が満たされる仕組みって、多分学校の中で完結していなくて(先生がその機能を十全に果たせることは稀)、友達もあるかも知れないけど(あと、モテタイとか)、やっぱり家庭に寄与するところが大きいだろうなあと振り返って思います。就職活動の相談に乗った時に、「親父も仕事つまらないって言ってるし」(実際どうかは別として)と言ってて、それだと子供も難しいよなと思いました。一方で、この間、仲間と話していた時に、「親父とかマジ自分の仕事の話ばかりしてうざいくらいですけど、あの世代本当にすごいですよね」みたいな話になって、大いに同意しました。

内田樹さんが言うところの苅谷剛彦さんが言うところの(だからまた読みだから原文読まなきゃいかんのだが)、「インセンティブ・デバイド」(意欲格差)という言葉は、割としっくり来るなあという感じがして、本当は数字追っかけなければいけないのかも知れませんけど、割と肌感覚として納得がいったというか。

昨晩ちょっと晩飯を食いながら、50年後に日本の人口、4000万人減るんだよね、という話になりまして。ここから大きな成長はあり得ない。少なくとも今の停滞感からすると想起し辛く、もしかすると海外展開はもとより、リバース・オフショアリングみたいなことにならないと食べていけなくなるのかも知れないし、変革を望まなければ、緩やかにしかし着実な衰退の道を歩むのかも知れない。でどうしましょうか、みたいなことをステーキ食べながら酒飲みながらしてました。

大きな仕組みを(悪く言うと図体を)緩やかな軌道修正で維持していこうって言うのは本当に難しく、まあバブル以降の20年くらいはまさしくそういう暗中模索の時代だったとも言えると思うんですけど、最近はドラスティックな変化も企業を中心に現れていますが、それもある意味追い詰められてからの外科的療法という感じがします。

また話は変わりますが、先日Facebook上でした話。これからはプラットフォームの上で戦っていかないと、新しいプラットフォームでも作れない限り、生き残っていけない、みたいな話がありました。ここ数年の世界観はまさしくそうで、僕も見ててそう思うし、今のインターネットを一番捉えやすい解釈とも言えると思います。

なんだけど、僕はむしろ、そこに未来はないというか、そこで延々と競争していく世界からは降りないと、今の社会構造は解決できない気も一方でしていて、だから何となく、そこからコミュニティを切り離すみたいな作業が必要なんじゃないかとか思ったんですが。

ここからETっぽい話になりますが、だから、現代の社会問題って、大きなものを大きく解決することって難しいと思うんですよね。むしろ小さく取り出したものを解決して、それをスケールしていく。多くの社会起業家の人達のイメージはそういうところにあるのかも知れないですよね。

「Small Business, Good Sense, Great Attitude」という言葉をET Brand 10にも挙げていますし、ET Brand 10全体が基本的にそういうスモールパッケージに切り出した問題を局地戦でどう問題解決するかによって、ゆっくり変化の歩みを進めていこうという志向性になっています。そういう階層化できないくらいに小さく小さくブレイクダウンしたところで、避けがたい問題を確実に解決していく、ということがうちのアプローチのイメージなんだなあと思いました。

奇しくも内田樹さんのブログのタグラインが「みんなまとめて、面倒みよう」になっていて、僕はこれはそれこそアカデミシャンだからこそ言えることかなあと思っていて、むしろ、「面倒の見れる範囲」は極めて小さいと思っていて、そのある意味での箱庭的なエコシステムの中で、あらゆる問題を切って切って切っていく、ということをしていく役回りなのかなとも考えています。

「階層化できないくらいに小さく小さくブレイクダウン」と書きましたが、社会学的に言うと社会の最小構成単位って「家族」なんですよね。だから、まずはしっかり家族を作ることが大事、ってところに戻ってくる話なのかも知れないですね。

加藤 康祐 / 企画・設計

プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。

加藤康祐企画設計

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