突き詰めた専門性は世の中を再編集することに使える – クックパッド見てて思うこと
最近、LINEがプラットフォーム化するよ、みたいな話を読みました。出たての頃は、Beluga辺りの競合のメッセージングサービスという印象でしたが、あれよあれよという間に広まって、SMAAAAAASHって感じですよね、最早。最近では企業の公式アカウントで独自スタンプ1000万円とか、ソーシャルゲームやるよ、という話もあって、何だか全くLINE活用できてない人間としては不思議な感覚ですけど。
で、最近、クックパッドの話を書くとウケが良いので、クックパッドの話なのですが、「有料レシピ」や「やさい便」を「日本発のプラットフォーム企業の水平展開の戦略」みたいに言ってみましたが、これって言い換えると、「突き詰めた専門性は世の中を再編集することに使える」みたいなことなのかなあと。ちょっとアカデミズムチックですよね。で、アカデミズムにはからきし疎い僕ですが。
事例が正しいかわかんないですけど、例えば、原発事故を受けて児玉龍彦教授の見た時は大分世界が変わって見えました。あれってやっぱり高い専門性が確かなパッションを持ってメッセージングされているから、色々な価値観が再定義されてて、あの当時の世の中の事象を再編集されて提示されたなあという感じがしました。
例えば、有料レシピは、いわゆる電子書籍業界(講談社とか、ドコモとか、DNPとか)かも知れないし、やさい便は野菜直販業界(大地を守る会とか、Oisixとか、生協とか)かも知れないし、ただ、突き詰めたレシピサービスを切り口にすることで、これまでとは全く違うものに見えてきますよね。それはどうもその業界の中だけからは生まれ得ない価値観で(まあでも食品メーカーは独自レシピコンテンツとか結構やってますよね、どの程度機能しているかは別として)。
以前、Service as a Platformみたいな話をしていて、これはどちらかというとクックパッドの話というよりLINEの話に近いのかも知れないけど、図自体は「やさい便」の話だとすると、クックパッドがFacilitatorで、えと菜園がPlayerとしていて、クックパッドユーザがUserとしているわけですよね。で、もう一つ昔の記事で、Platform on Platformみたいな話もしていて、プラットフォームの縦構造ってこういうイメージですよね。プラットフォーム化したサービスを水平展開することによって、こういうエコシステムができてくる。これも「やさい便」とかで考えると顕著かなあと思いました。
というわけで、2年くらい前に、TwitterとかFacebookを見て考えていたこと、でもあまりにもバックリしていた話が、クックパッドの最近の展開ですっかり具体性を持って提示された感じがしていて、だから「突き詰めた専門性は世の中を再編集することに使える」っていう辺りが効いてくると、すごい面白いんだな、プラットフォームの話、と思ったのでした。で、結局のところ、それを可能にしているのは「レシピ検索No.1」ということなのだろうなと。

加藤 康祐 / 企画・設計
プランナー、デザイナー。加藤康祐企画設計代表。Webデザインを入り口に、2005年よりフリーランスとしてのキャリアスタート。主な仕事としてベンチャー企業でのサービスのUXデザイン、独法との防災メディアの運営、社会的養護の子どもたちの自立を支援するNPOのサポート。ラグビーと料理、最近イラスト。
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フリーランスとして働き始めるってどういうことだったのか?フリーランスとして働くってどういうことなのか?フリーランスが目指すことってなんなのか?5年間の自分の経験から書きました。(2010年執筆)